【行きかた・プールヴィラ客室編】、【食事編】に続く、マンダパの最終回。
今回は、2泊目に移った建物3階のスイート、棚田とアユン川を望むメインプール、フォト撮影サービス、そして子牛の「マンダ」と「ダパ」まで。ジャングルのヴィラだけがマンダパではない、という話をする。

【客室②】322号室|ジャングルを出て、建物3階のスイートへ
2日目の12時、部屋を移った。
マンダパの客室は全部で60室。うち25室がプールヴィラで、残る35室はスイートだ。私たちが移ったのは、そのスイートが集まる建物の3階、322号室。マンション的な造りの建物で、初日のジャングルのヴィラとは、まるで性格が違う。
一言でいうと、文化的。相方は「こっちのほうが清潔感があって過ごしやすい」と、はっきり喜んでいた。ワイルドさを取るか、快適さを取るか。ここは好みが分かれるところだと思う。

木と布と、貝のシャンデリア
内装のベースは、濃い色の木。そこにバティックのベッドランナーが一本走っていて、それだけで一気にバリになる。
天井から吊るされているのは、貝殻を重ねたシャンデリア。これがいい。海から遠い山の中で、貝を使うというのが不思議で、ずっと見ていられる。


浴室に壁がない
この部屋でいちばん驚いたのが浴室だ。
楕円形のバスタブが、寝室と地続きの場所に置かれている。仕切りは布のカーテンだけ。窓の外は緑。開放感がすごい、と言えば聞こえはいいが、要は隠れる場所がない。


洗面は、木をくり抜いたようなボウルがふたつ。丸い鏡もふたつ。バスローブが掛かっていて、朝はここが渋滞する。

引き出しを開けると、タオルとアメニティが整然と収まっている。ヘアブラシや爪やすりまで、竹や紙の素材で揃えてある。バスアメニティはマンダパのオリジナルだ。


リビングの壁に、棚田がある
寝室の隣がリビング。ソファとローテーブル、椅子。そして壁一面に、棚田と山を描いた大きな絵が掛かっている。
窓の外にも棚田がある。壁にも棚田がある。徹底している。


バルコニーが、この部屋の主役
そしてバルコニー。テーブルと椅子が2脚、木の手すりの向こうにヤシの木の梢が広がる。
ヴィラは緑に囲まれて視線が抜けないぶん、こちらは眺めが主役だ。3階という高さが効いている。朝はここでコーヒーを飲むといい。


【施設①】メインプール|棚田とアユン川を望む
小休止のあとに向かったのがメインプール。
そこまで大きくはない。だが、棚田とアユン川、大いなる自然と田園風景を一望できる。ラグジュアリープール、という言葉がこれほど似合う場所もない。

ここには家族連れがもりもりと集まっていた。みんな富裕層。日本人の旅行者も、ちらほら見かける。パラソルの下でくつろぐ人、ひたすら泳ぐ人。時間の使い方が人それぞれで、見ているだけでおもしろい。

プールサイドには竹製のワゴンが置かれていて、水やフルーツが自由に取れるようになっている。この気の利き方がマンダパだ。

【施設②】棚田と高床式の米倉|フォト撮影サービスの舞台
マンダパの敷地の中央には、本物の棚田がある。ホテルの中に田んぼがある、という状態がまず珍しい。
その真ん中に建っているのが、高床式の米倉「ルンブン」。バリの伝統的な建築で、収穫した米を保管しておく倉だ。


そして、この棚田とルンブンが、マンダパのフォト撮影サービスの舞台になる。
宿泊者は無料で撮影してもらえる。私たちを担当したカメラマンは、日本文化とアニメが大好きなオタクっ子だった。暗殺教室、進撃の巨人。兄弟が京都に住んでいて、本人は九州出身の日本人女性と付き合っているという。世間は狭い。
撮影に先立ち、2人とも民族衣装の腰巻き「カメン」を装着する。そこからカメラマンのディレクションが始まるのだが、これがほぼウェディングフォトのテイストだった。田んぼの中で手を繋ぎ、高床式の米倉で肩を抱き合い、ときにキスをして愛を表現する。
恥ずかしい。恥ずかしいぜ。
だけど、一生懸命な彼を見ていたら、こっちも真面目にやらんといかん、という気持ちになってくる。結果、全力で協力した。
「わたしたちは、一体何をしているのか」。それが主な感想である。
【施設③】キッズスペースと家畜小屋|子牛の「マンダ」と「ダパ」
棚田の近くには、キッズアクティビティ・スペースがある。竹を編み上げた建物で、中には螺旋階段と、宙に浮いたような円形のフロア。子ども向けの施設とは思えない造形だ。

そのすぐそばが家畜小屋。ニワトリとアヒルがいる。泳ぎ疲れた合間にここへ侵入し、挨拶をするのが日課になった。



そして最終日。家畜小屋に子牛が来ていると聞いて、見学しに行った。
「マンダ」と「ダパ」。生後10ヶ月。熊本の赤牛のような毛色をした、かわいい牛たちだ。最近このホテルの仲間入りを果たしたのだと、スタッフが教えてくれた。
おもしろいのは名前の由来で、「マンダ」と「ダパ」は代々受け継がれていく襲名のようなものらしい。つまり歴代のマンダとダパがいる。どうりで、名前で呼びかけても反応が薄いわけだ。

【サービス】全宿泊者に付く、専属バトラー
マンダパの特徴のひとつが、全宿泊者に専属バトラーが付くことだ。
レストランの予約から部屋の移動、撮影サービスの手配まで、滞在中のあらゆることを引き受けてくれる。日本のホテルで「フロントに聞く」「コンシェルジュに相談する」というのとは距離感が違って、最初から最後まで同じ担当者が付いているぶん、とにかく話が早い。
滞在中に「これ、誰に言えばいいんだろう」と迷う場面が一度もなかった。振り返ってみると、それがこのホテルでいちばん楽だった点かもしれない。

チェックアウトの時間になり、バトラーが車まで送り出してくれた。いいとこだったなあ。さびしいなあ。後ろ髪を引かれつつ、車に乗り込む。ここから山を降りて、海のリゾートへ向かうことになる。

マンダパの客室・施設・サービス情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 客室数 | 全60室|スイート35室、プールヴィラ25室 |
| 今回泊まった部屋 | プールヴィラ(1泊目)→ スイート322号室・建物3階(2泊目) |
| バトラー | 全宿泊者に専属バトラーが付く |
| プール | メインプール(棚田とアユン川を望む)/各ヴィラのプライベートプール |
| スパ | ジャグジー、ドライサウナ、スチームサウナ、冷水槽、マッサージ、瞑想スペース(詳しくは【行きかた・プールヴィラ客室編】に記載) |
| アクティビティ | フォト撮影サービス、キッズアクティビティスペース、家畜小屋 |
| 敷地内の見どころ | 棚田、高床式の米倉(ルンブン)、子牛の「マンダ」と「ダパ」、ニワトリ、アヒル |
| チェックイン / アウト | 15:00 / 12:00(今回はレイトチェックアウトで14:00) |
まとめ|ジャングルのヴィラだけがマンダパではない
2泊してわかったのは、マンダパには2つの顔があるということだ。
ジャングルに埋もれたプールヴィラは、圧倒的にワイルドで、非日常そのもの。一方、建物3階のスイートは、開けた眺めと快適さがある。どちらが上ということではなく、性格がまったく違う。可能なら、私たちのように両方泊まってみるのがいちばんおもしろいと思う。
そしてこのホテルの本質は、たぶん客室ではなく、棚田と川と、そこにいる牛やアヒルのほうにある。ウブドの山奥に、ひとつの村をまるごと作ってしまった。マンダパは、そういう場所だった。

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